被災地に行かないで!啓発ポスター

MOAI Yui

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ペットと暮らす

災害時(被災していない場所で)ペット飼いの自分は何をするか何ができるか

新年明けて初めての更新となりますが、「おめでとうございます」とご挨拶する気持ちにはとてもとてもなる事ができませんので、誠に勝手ながら今年度のご挨拶は控えさせて頂きます。

とはいえ、もう松の内も過ぎ一般的には仕事始めの時期ですからさして問題もないでしょう…皆さまいかがお過ごしでしょうか?

被災地ではまだ何もおさまっていない状況なのに何を吞気にブログなんてと思われる方がいるかもしれませんが、被災されている方、被災ペット達、に心を寄せながら、今日ここでは、被災されていない方々へ向けてのお話しをさせて頂こうと思います。

Twitter(現X)で繋がって下さっている方々はもううんざりされている事でしょう…私はずっと一つの事を言い続けてきました。

それだけ「いたちのおうちは何もしないんですか?」「自分にも何かできることはありませんか?」のお声が届いていたからです。

私の記憶にしっかりあり、またそれ以降「大きな震災」として被害の比較に使われたり、耐震・防災の基準とされたりするのはこの六つです。

1995年 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)

2003年 十勝沖地震

2004年 新潟県中越地震

2011年 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)

2016年 熊本地震

2018年 北海道胆振東部地震

あくまでもこの六つは私の記憶に鮮明に残っていていつでも思い返す…言い方を変えます、私の脳裏から離れない、忘れる事ができない、今の私のベースとなる核の部分にある重要な出来事というだけです。

こちら、気象庁のホームページに掲載されている「平成8年以降の期間に日本付近で発生した、人的被害を伴った地震」は、ぜひ一度、お時間を作ってご覧ください。

私は1974年生まれです。

私たち世代はこれまでに経験してきたから知っています。

政府や自治体から正式な発表が出るまえから私はずっと繰り返し言ってきました。

「今は被災地へ向かってはいけません。今はまだ素人に出来る事はない、それどころか、むしろ邪魔になるから、だから行ってはいけません。心配でも、何かできることはないかと気が急いてどうしようもなくても、今は我慢してください。」と。

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被災していない場所から我々ペット飼いがまずすることは何か?

最初にお伝えしておきます。

この記事は、どこかやどなたかの事を指しているものでは無く、特定の誰かや何かを非難・否定するためのものではありません。

知らなかったあなたやあなたに向けて「今後のために知っておいてください」なものです。

大きな災害が今後も「くる」と政府から正式に発表されています。

自身が被災者側になった時、の事も含めて、今それを知っておく時だとその機会にして頂けたらと思います。

まず、大規模災害時には、電気、ガス、水道等のライフラインが被災し、長期間にわたり日常生活に支障が出ることとなります。

その間、道路の損壊による物流のストップや工場等の被災などにより、スーパーやコンビニなどからは一気に商品がなくなります。

今後数十年以内には必ず起きると予想されている南海トラフ巨大地震の想定では、被災者は全国で950万人超と予想されており、「災害後の生活物資の調達は非常に困難となります。備蓄をはじめとした家庭や個人の日頃の備えが重要になります。最低でも一週間以上分の備えを。」と、これは政府から公式参考:政府広報オンライン「災害時に命を守る一人ひとりの防災対策にそう発表が出ていることです。

大きな災害時には、まず、ご自身に起きたこととして、被災地の事を考える前に「自分は大丈夫なのか」それを真っ先に考えて下さい。

「被災地のことを思うとそれどころじゃない」は分かります。

分かるからこそ言ってるんです。

理由は後できちんと説明しますから、まずは、ご自身のことを考えて下さい。

汲み置きの水の用意はすぐに出来ましたか?

スニーカーはすぐに取り出せましたか?

非常食の賞味期間は大丈夫ですか?

懐中電灯の電池は十分ですか?

コンロのガスは足りますか?

この子達のものも詰めた非常時の持ち出しグッズにキャリーを持って避難所まで自力で歩く事は現実的に可能かどうかを確かめた事はありますか?

※非常時の持ち出しバッグに非常食をどっさりと詰め込んで「持てない」と言う方を時々お見掛けしますが、持ち出し用と❝備蓄用❞の非常食は別に考えるものです。

家に置いて備蓄するものと持ち運ぶ非常食はそれぞれ分けて置いておいて下さい。

そういうお話も詳しくさせて頂いていますので、こちらの記事もぜひ合わせてお読みください。

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多くの方へ向けた一般論的な内容ではありますが、必ず、あなたのお役に立てる箇所が一つはありますから。

もう一度、言います。

  • 一週間は救助が来ないことを想定しておいて下さい。
  • その間、各自が自力で持ちこたえられる準備をしておいて下さい。
  • これは、政府の公式見解です。

備えて下さい。備えましょう。

被災地のことを考えるとき

そうしてあなたがご自身のことをきちんと考えている間、国が、政府が、被災地の状況を確認して把握して対策本部を立ててきちんと動きだしています(自衛隊などはこの時点ではもう動いて下さっています)。

「まずは自分の事を考える」

それは、「その邪魔をしない」というとても大切なことをあなたはしているという事です。

何もしていない(できない)自分の無力さに打ちひしがれているというDMをたくさんもらいましたが、そんな事はないんです。

あなたはちゃんと「被災地の方々のために協力していた」んですよ。

「でもSNSには困ってるという声がたくさんありますよ」

「向かってる人だっているじゃないですか」などなど、も届きましたが、ここでアイキャッチ(記事の一番上の画像)をもう一度ご覧下さい。

SNS上のSOSは奥の方が掲げている「助けて」です。

その方には渋滞最後尾で足止めをくらっている自衛隊のトラックは見えていません。

救助が「なぜ」こないのか、被災地へはその情報も届かないのです。

頼りない電波の中で限られた情報を頼りに必死で安全な場所を探しながら、残り少ない充電は近しい人達の生存確認にあてたり、自分の状況を伝えたり、SOSを発信したり…

被災地の外からは見えている「全体の被災状況」が、被災地の方々には見えていないんです。

それだけで心がくじけそうになっているのに、いつくるのかわからない救助をただ待つばかりなのはどんなにつらい事か分かりますよね?

東日本大震災の時を思い出して下さい。

テレビをつければ知れることが、電気がこないテレビのない避難所にいたら「分からない」んです。

「救助なんて来ないんじゃないか、自分たちの声はどこにも届いていないんじゃないかって、ずっと不安だった」と被災者の方に言われた事があります。

だから、「邪魔になるような事だけはしてはいけない」って、あの災害を経験してきた私たち世代はみんな知っているんです。

だから、まだ動かない(被災地へ向かわない)。

若い皆さんもこれだけは覚えておいて下さいね。

今は、その時、自分は大丈夫なのかを考えて備える時だと、それで良いんです。

「人命が最優先」は絶対

災害のニュースなどで「72時間の壁」または「黄金の72時間」という言葉を聞いたことはありませんか?

これは、阪神・淡路大震災の時の生存率のデータと人間が水を飲まずに過ごせる限界の日数、とからだした数字で、「72時間(3日)を過ぎると生存率が著しく低下する」だから、「人命救助は災害が発生してから72時間が勝負」という事で、そういう言葉ができました。

その間に1人でも多くの命をと全国から救助のプロ(自衛隊だけでなく災害支援車両なども含みます)が向かいます。

再三に渡り

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石川県や福井県社会福祉協議会は救命活動の妨げになるとして、現時点ではボランティアや支援物資を届けるために現地へ向かうことは控えるよう呼び掛けています。
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能登の方からの直接の声です。能登半島への道中が渋滞のため災害支援車両が現地にたどり着けない状況とのこと。

いま最優先して通行すべきなのは
①災害支援車両
②被災されたご家族ご親戚などの車

です。それ以外の方の通行が渋滞の要因、ひいては人命救助の妨げとなってることをご理解ください。

などの「今は来ないで下さい」を目にされた方は多いかと思いますが、それらは「人命救助のプロたちの邪魔をしないで下さい」です。

どんなに言い方を変えても伝わらない人が一定数いるのは、仕方のないことなのかもしれませんが、皆さんは知っておいて下さい。

72時間は人命救助を最も優先しなければならない時間です。

それはつまり、五体満足で避難できた自分は後回しにされる時間だと分かっておいて下さい。一人でも多くの生存のために72時間は自力でこらえて下さい。と、これは確かドラマの中での政治家のセリフでしたが2ちゃんの実況スレが大荒れしていた記憶があります。

その時の私はこれがこれから起きる現実なんだろうなと多くの意見で大荒れするその様子も込みでそう思いました。

人命が最優先と人命救助が最優先の違い

いかなる時と場合でも人命が優先です。

この「人命が最優先」は人命救助が最優先という意味ではないのですが、今回ご連絡を頂きお話をした方のうち数名はそこがあまりピンときていなかったようで、「あぁ、だからか」と大きな気付きがあった大切なことなので今ここでも改めてお話させて頂きます。

『人命』には救助される側の命はもちろんですが、救助する側の方の命も含まれます。

Aさんを助けるためにBさんが自らの命を危険にさらす状況に陥ってしまったらAさんとBさんを助けるCさんが必要になります。

Cさん一人で二人を救助する事はできないのでDさんを呼びに…なんて、危険にさらされる命がどんどん増え続けていってしまっては助かる命も助からなくなってしまいます。

そんな事は救助の現場ではあってはならない事です。

ここからは「レスキュートリアージ」についての説明になります。

PTSDを引き起こし兼ねない表現を使いますので、つらい経験がある方はクリックせずにお進みください。

SNS上の「邪魔になるだけだから行くな/来ないでください」の意味がお分かり頂けましたでしょうか?

今は、自分は大丈夫なのかを考えて備える時です、しっかり自分のことを考えましょう。

準備不足のボランティアほど邪魔なものはない

「72時間は人命救助が最優先だとはいえ、避難所の皆さんにもせめてご飯を届けたい」はもっともです。

ですが、上記でお伝えしたように、❝そのせいで❞プロの仕事の邪魔をすることになっては本末転倒ですし、何より、そんなにすぐに向かえる準備が出来ているボランティアは少ないと思います。

被災地、及びその周辺に残っているものは、全て被災されている方たちのものです。

震災直後にはまだ水がでる所、ガソリン、食料その他が残っている場所もありますが、それはそれ以降、(ライフラインが整うまでの間)被災されている方たちの命を繋ぐために大切に使っていかなければならない貴重なものです。

県外から行った人が消費していいものではありません。

私が初めて被災地へ向かうボランティアに参加した時「全て自己完結できない方はこの車に乗らないで下さい」と、主催の方がオムツを用意してくれていて、それを購入してその場で履いてから車へ乗せてもらいました。

「次に参加される事があったらその時にはこれらも自分で用意してきて下さいね」と言われ、自分がどれだけ浅い考えしか持たない想像力の欠けた人間だったのかと恥ずかしくなったのを覚えています。

「自分のものの用意」って、そこまでを言うんです。

だから、あなたも「何もできない自分」に心を痛めなくて良いんです。

  • そこまでの準備が整えられていない時には
  • 被災地から要請があるまでは

被災地へ向かっても自分にできる事はない、それだったら、せめて邪魔にならないよう余計なことをしない「何もしないをする」で良いんです。

それは、見てきた世代の私が「それで良い」を保証します。

今はしっかり、その時に備えて自分は大丈夫なのかを改めて考えて過ごして下さい。

家族だけど『人』ではないこの子達(動物たち)のこと

「動物たちのものは自衛隊は運んでくれないじゃないか!」

「動物たちのことは後回しにされるのを知らないのか!」

「あなたは動物たちのために動くべきだろ!」などなどの声も届きました。

その件については、きちんとお話しさせて頂きたく、今日はもう長くなってしまったので、また次回にさせて頂きます。

まとめ

「SNS上で毎日喧嘩みたいに色々な意見が飛び交っていて何が正しいのか分からなくなってしまって」と心を痛めているお声もいくつか届きました。

この後に予想される「だからやめろと言ったじゃないか」を少しでも減らしたい、経験者として止めなきゃ!な我々世代の言葉と、そこまでを想像できずに居ても立っても居られなくて行動にうつす若い方たちの言葉

どちらもつい口調が強くなってしまうのは、それだけ皆が被災地を思ってのことだと、皆が必死なんだと、そういう思いでいれば良いです。

どちらが正しいとか間違ってるとかそんな判断はしなくて良い、あなたはまず冷静に「自分のこと」を考えるんです。

つらい時にはSNSを離れて、楽しいことをして下さい。

「こんな時に不謹慎じゃないか…」は持たなくていい罪悪感です。

東日本大震災の時、誰かが言った

「被災していない我々が全力で経済を回し続けなければ日本が終わる」

「経済を回せ!被災地のために!!」

この言葉を私からもあなたへ伝えます。

ポスターについて

トップ画のポスターはイラストレーターのMOAI Yui(モアイユイ)さんに今日の記事に合わせて描いて頂きました。

ご本人も北海道胆振東部地震での被災経験をお持ちです。

「これは大切なことだと思います。多くの方に知って頂きたいことなので。」とクレジットを入れずに提供して下さいましたので、こちらのポスターに限り、無料で二次使用(利用)可とさせて頂きます。

但し、商用利用の場合には、きちんと作家さんに「依頼し直し」して新たなものをご自身でご用意下さいますようお願いいたします。

MOAI Yui(モアイユイ)さんのご紹介ページ

また、細かい話にはなりますが、グーグルアドセンスなど収益が発生するブログやサイト、収益が発生する各SNSなどでご利用になられた場合、こちらのポスターを掲載する事によって発生した収益分は災害義援金に充てて下さいますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

募金(義援金の受付)先のご案内

(義援金と支援金の違い、ボランティア団体などの「中抜き」と呼ばれるものについて、などもたくさんお問い合わせがきていますが、それについてはまた別の記事でご説明させて頂きます。)

NHKによると、1月9日現在まだ被害の全容は完全には把握しきれていないとの発表ですが、現時点で最も甚大な被害だと報道されている石川県の義援金受付先を載せておきます。

銀行口座
口座名義銀行名口座番号
石川県令和6年能登半島地震災害義援金北國銀行 県庁支店普通預金28593
  • 口座名義のカナは「イシカワケンレイワロクネンノトハントウジシンサイガイギエンキン」、銀行名のカナは「ホッコクギンコウ ケンチョウシテン」になります。
  • 北國銀行各店の窓口、ATM、インターネットバンキングでの振込・振替は、手数料が免除されます。
  • 全国地方銀行協会加盟金融機関の窓口での振込・振替は手数料が免除されますが、ATM、インターネットバンキングでの振込・振替は手数料がかかりますのでご注意ください。
  • 上記以外の金融機関からの振込・振替は、手数料がかかりますのでご注意ください。
  • 口座番号記入(入力)欄と口座番号の桁数が異なる場合、足りない桁数の分を口座番号の先頭に0をつけてください。
    (例)記入(入力)欄が7桁の場合は、「0028593」
ゆうちょ銀行及び郵便局
加入者名口座番号
石川県令和6年能登半島地震災害義援金00100-8-452361
  • 口座名義のカナは「イシカワケンレイワロクネンノトハントウジシンサイガイギエンキン」になります。
  • 全国のゆうちょ銀行及び郵便局の窓口での振込・振替は、手数料が免除されます。
  • ATM、インターネットバンキングでの振込・振替は、手数料がかかりますのでご注意ください。
  • 海外からの送金には対応しておりません。

長くなりましたが、おしまいに…

この度の災害により被害を受けられた皆さまとたくさんの動物たちに対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

皆さまの安全と、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

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